森田療法における「あるがまま」の誤解

心理学は元々、精神疾患治療のために研究されてきました。これまで認知行動療法などさまざまな治療法が世界中でつくられてきました。

そんな中、日本初の心理療法として世界に名が知られているものがあります。それが森田療法です。

森田療法は森田正馬が発案した神経症治療のための心理療法で、日本独特の自然観をベースなつくりあげられた極めて効果の高い治療法です。

森田自身、若い頃から赤面症に苦しみ、勉強をすることを条件に親から神経症の薬を買ってもらっていました。

ある時、いよいよ赤面症が酷くなってきた森田はさらに薬を買ってもらうために必死に勉強に没頭していました。

そんな中、森田は勉強に没頭しているとき自分が神経症から離脱していることに気がつきます。この体験が後の森田療法となります。

森田療法のコアは「あるがまま」です。
自分の症状に対して、抵抗せず、自然にまかせる。それが「あるがまま」思想です。

他にも森田療法には、「とらわれ」「はからい」の二つの重要な概念があります。

それぞれ、

「とらわれ」
→自分の症状のことばかり考えてしまうこと

「はからい」
→既に存在している症状をとりはらおうとすること

この2つの要素を無効にして、神経症から脱出する考え方が「あるがまま」です。

症状に挑まないこと=あるがまま

だと考えてもらえば分かりやすいと思います。

けれど、この森田療法を多くの人が誤解しています。

森田療法を治療で使ってる人たちは「あるがまま」「あるがまま」と思いながら治療しているわけですが、これは森田が言わんとしていることからずれています。

「あるがまま」というのは「あるがままにすべき」というのとは違います。

言葉で説明するのは難しいのですが、諸行無常ということです。

だから、「あるがままにしなければ」と思った時点でそれは「あるがまま」ではないわけです。

この辺りを理解できているかで、森田療法が成功するか否かが決まると僕は思っています。

「あるがまま」という思考を捨てた「あるがまま」の実践。その難しさが森田療法にはあります。

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