日常に働く社会的証明の原理。みんながしているから正しいとは限らない。

SHARE

日常に働く社会的証明の原理。みんながしているから正しいとは限らない。

前回に引き続き心理バイアスについての解説。今回は社会的証明の原理について話そうと思う。

社会的証明とは?

社会的証明という心理用語がある。これはバイアス(心の偏り)を示すもので、みんながやっていることは正しいと考えてしまう人間の特性のことである。以前どこかで述べたと思うが、人間は220以上ものバイアスを持っている。

社会的証明はその中でも特に重要度が高いバイアスで、私たちの生活に深く浸透している。例えば、ファッションの流行や、その他のブームなどはこの社会的証明の原理の働きのせいである。みんながやっていることは正しいし安心である。そういうふうに自動的に考える心の偏りが私たちにはある。

社会的証明が悪用された事例としては、イラク戦争が挙げられるだろう。これはアメリカので起きた9.11事件のあとに、アメリカがイラクに対して起こした戦争のことである。イラク戦争ではめりか国民のほとんどが戦争に賛成したという状況が起きた。

戦争はどんな理由があろうともよくないという事は自明のことだ。当時のアメリカ国内の報道では、何か人1人が殺されたら大変なニュースになり、何百何千というイラク人が殺されたときはまるでものが壊れたかのように報道されていた。当然アメリカ側についている日本のメディアにもその影響は及んでいた。

この状態を作り出した原因の1つは社会的証明だと言える。みんながやっていることが正しい。それに安心。もちろんアメリカ国内の風潮ヲこのように持っていった政府あるいはマスメディアが1番悪いとは言える。しかし、そういった情報操作によりまんまと社会的証明の原理にはまるのが人間だ。

日本にも「赤信号みんなでわたれば怖くない」なんていう諺のようなものがあるが、これなどはまさに社会的証明の原理を表した言葉だと言えるだろう。私たちは基本的に1人で何かをやるのは怖いが、すでに誰かがやっているあるいは同時に誰かがやってくれる状況ならば安心してやることができる。これが社会的証明の原理だ。

社会的証明の怖さ

社会的証明の原理は悪用しようと思えばいくらでも悪用できる。例えば、メディアは頻繁に社会的証明の原理を使っている。売りたい商品があれば、さもみんなが使ってますよというふうに報道すればよい。当選させたい政治家がいればその人がいかに素晴らしいかということを報道すればよい。

そして、その状況は「みんなが受け入れている状態ですよ」と示すことができれば社会的証明の原理を働かせることができる。そして大衆の動きを操作することができる。それほど強力な力だからこそ社会的証明の原理は他のバイアスと比べて特別なものとして書籍などでは取り上げられる。

社会的証明の原理について詳しく知りたい方は、「影響力の武器 ロバート・B・チャルディーニ」という書籍をおすすめする。この書籍には社会的証明の原理を含めた6つの強力なバイアスが紹介されている。心理学の書籍の中でも名著中の名著と呼ばれる書籍である。

私たちができることは、社会的証明という強力なバイアスがあるということを理解しておくことである。以前どこかでも書いたが、バイアスというのはそれを理解しておけば引かかりにくくなる。今、社会的証明の原理が働いている。そういうふうに認識できるようになればまずバイアスにひかかることはないだろう。

明日から周りを見渡してほしい。至る所で社会的証明の原理が働いていることにきづくだろう。この記事を読んでくださっている読者の方には、バイアスに疎い人たちを救う側の立場になってほしいと思う。だからまずはバイアスがどのように働いているのか?それを認識できる観察眼を持つことからスタートしてほしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です