心理学とは?

心理学は心を研究する学問です。日本では心理学は文系科目のように扱われていますが、実際はれっきとした科学であり理系の学問です。心理学を学ぶためには現代までの心理学の歴史を知っておくとより学びやすくなります。

心理学の歴史的流れ

ヴントから始まる心理学

心理学の歴史は17世紀にヴントという人がライプツィヒ大学に心理学研究所を置いたことから始まります。
それ以前は哲学が心理学の役割を果たしていました。哲学は心について様々な解釈を与えていましたが、それはあくまで個人的な予想の範囲を出ません。

そこで心を科学的に検証しようという動きが出て来たのです。それが心理学です。哲学は古代から存在していたのになぜ心理学は17世紀なのかという疑問が湧くかもしれません。ここで世界史の知識が役に立ちます。世界史において中世は「暗黒の時代」と呼ばれます。どういう意味か説明します。

古代においては哲学や科学、美術が大きく発展しました。しかし、中世というのは宗教が支配する世界でした。
そのため、科学が発展しませんでした。この流れの中でやっと科学的に心を検証しようとしたのが17世紀に現れたヴントだったというわけです。

パブロフのSR理論

その後、心理学に登場したのはSR理論です。これが心理学研究第一の波です。SR理論とは「刺激→反応」を見てその行動を推測するというものです。

皆さんはパブロフやスキナーという名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?パブロフは犬を使った実験を行いました。

犬に餌とベルの音を同時に与えることを繰り返していると犬は餌がなくてもベルの音だけで唾液を垂らすようになったのです。これは「ベルの音」と「唾液」という元々関係のない2つのものが繋がったことを意味します。これを「古典的条件付け」といいます。

パブロフのこの実験はアンカリングとして、現代洗脳で使われています。人を洗脳し、コントロールしたい場合、このパブロフの理論を応用すれば簡単にできてしまいます。古典的な実験ではありますが、パブロフが発見したことはそれほどすごいことでした。

一方、スキナーが行なった実験は、強化実験と呼ばれます。ネズミをレバーを引くと餌が出るという仕組みのスキナー箱という箱に入れておくと、ネズミがレバーを引き続けるという現象が起きることを発見しました。

これはある行動が有益だと、その行動を繰り返そうとするということがわかった実験でした。こちらは「道具的条件付け」と呼ばれています。現代洗脳ではアンカリングの強化として使われます。

認知心理学の始まり

SR理論は心理学の研究と言いながら、刺激→反応しか見ておらず、心をないがしろにしているという批判がありました。この批判を受けて出てきたのが認知心理学です。

これは文字通り、人の認知に焦点を当てる心理学であり、最も有名な人物はエリスです。エリスはABC理論というものを唱えました。

この理論では、これまでの「刺激→反応」に「認知」を加えました。つまり、「刺激→心→反応」とし、心の部分に焦点を当てました。

刺激を受けたとき、人はどのように考え、反応を出すのかということに焦点を当てたのです。この認知心理学は認知行動療法という形で精神医学において絶大な支持を誇ることとなります。現代の精神医学のベースはこの認知行動療法です。

認知行動療法は、簡単にいうと自動的に生じる思考に対して「それは本当か?」「証拠があるのか?」などと自分に問い、歪んだ認知を修正して解釈するというプロセスを踏むことで認知の歪みを治療しようとするものです。

認知行動療法の基礎となる考え方は、ポジティブ心理学の権威マーティン・セリグマン博士の著書などを読むとよくわかります。この分野に興味のある方は一読をお勧めします。

現代の心理学

これは現在研究が進められている分野ということになります。それはマインドフルネスです。マインドフルネスとは心が満たされた状態という意味です。

この分野で特に注目が集まっているのが瞑想です。瞑想という宗教的要素の強いものが科学と結びつきました。瞑想に関する研究はなんと科学者とダライ・ラマなどのチベット僧たちとの合同で行われました。

その結果、瞑想は脳にとって非常に有益で、心を落ち着ける効果があることが科学的にわかりました。今書店へ行って心理学コーナーを見てみると「マインドフルネス〇〇」という本が溢れています。

仏教が心理学や脳科学によって解明されつつあるというのが現代の最前線の心理学です。もちろんこれら以外にも様々な心理学研究分野がありますが、おおまかな心理学研究の流れは以上です。